人事労務解説

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人事労務解説 2021.09.27

試用期間とは?期間を設ける目的は何?

試用期間とは?

試用期間とは、企業が、採用した従業員とのミスマッチを防ぐために、その従業員の能力や勤務態度等本採用に相応しいかの適正を判断、評価するための期間のことです。
このページでは、試用期間の概要や試用期間を設ける理由、試用期間と研修期間の違いについて解説していきます。

1. 試用期間とは

試用期間とは、企業が、採用した従業員の能力や勤務態度等本採用に相応しいかの適正を判断、評価するための期間のことです。その期間について法律で明確な定めはありませんが、3か月~6か月が一般的であり、最長でも1年とするのが妥当です。
企業によっては、予め定めた試用期間で判断できない場合に備えて延長期間を設けている場合もあります。その場合、就業規則に具体的な延長期間や延長させる理由を定めておく必要があります。

2. 試用期間を設ける理由と、試用期間中の労働条件

試用期間を設ける理由は、採用した従業員の能力や勤務態度等が本採用に相応しいかの適正を判断、評価するためです。採用時の提出書類や面接だけでは適正を判断するのは難しいため、試用期間を設け、実際に業務を行いながら業務への適正や業務を行っていける健康状況であるかを判断します。
また後編で具体的にお話ししますが、試用期間を設けることで、試用期間中に適正がないと判断して解雇する場合の取り扱いにも影響があります。
 
試用期間中の労働条件について、本採用時と比較して給与が低くても問題はありませんが、その場合は企業と従業員の間で合意があることが必要ですし、もちろん最低賃金を下回ってはいけません。残業や休日出勤が発生していればその分の割増賃金を支払わなくてはなりません。
社会保険雇用保険についても、加入要件を満たしていれば試用期間であることに関係なく加入しなければなりません。

3. 試用期間と研修期間は何が違う

試用期間と研修期間の違いは、それぞれの目的です。
試用期間が適正を見極める期間であるのに対し、研修期間は業務を行う上で必要なスキルを身につける期間です。それぞれ特に定義があるわけではありませんので別物ですが、採用後本採用までの適正を見極める期間を試用期間、その期間の内、業務を行う上で基礎的なスキルを身につける期間を研修期間、とイメージするとよいでしょう。
 

試用期間と研修期間

まとめ

試用期間は、採用した従業員が企業にマッチするかを見極める期間ではありますが、試用期間だからといって極端に低い給与とすることや、要件を満たしているにも関わらず社会保険・雇用保険に加入させないとすることはできないため注意が必要です。
次のページからは、試用期間中の退職や解雇する場合の取り扱いについて解説していきます。

『著者:社労士カワモリ』

※試用期間とは?期間中の退職や解雇の取り扱い

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