人事労務解説

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人事労務解説 2021.09.21

出向とは?2種類の雇用形態を解説

出向とは?2種類の雇用形態を解説

出向とは出向元である会社で雇用契約を結んでいるが、別の企業で働くことを言います。出向とは出向元と出向先で雇用契約が成立しています。例えば、会社の所属に変わりはないですが、子会社、グループ会社で働くことを言います。勤務時間、休日などは出向先と同じになります。

1. 出向とは

出向とは人事異動の一種でもあります。出向元、出向先で契約を結ぶため就業規則などの労務管理が難しくなります。出向は従業員の人材育成、人事戦力等を目的としてやることが多いです。主に出向が多い仕事としては銀行員や公務員が多い傾向にあります。
出向の際は本人の同意は必要ないですが、あらかじめ説明するのが一般的になっています。

2. 2種類の出向

出向には、在籍出向、転籍出向の2つの種類があります。

・在籍出向

出向元と出向先の2社とも雇用契約を締結する
例えば、所属は本社だが就業場所は支店といったように籍は置いたまま支店、グループ会社に所属する事です。指揮命令は出向元が行い、出向するには出向元と出向先で出向契約を締結しななければいけません。
出向契約とは出向者に関する指揮命令関係、企業のルール、労働条件などを取り決めます。
出向契約は出向者の給与、役職等を記載して契約を交わします。出向契約は法律で義務付けられているわけではありませんが、出向自体労務管理が難しいため出向契約で様々なルールを決めておいた方がトラブル防止にも繋がるのでスムーズに業務を進めることができます。

・転籍出向

出向元の雇用契約を解消して出向先と契約する
在籍出向は、2社間で雇用契約を締結しますが、転籍出向は1社と雇用契約を締結します。
基本的には出向元に戻ることはありません。

2種類の出向

※引用:厚生労働省より

3. 出向と派遣、左遷の違い

出向と派遣、左遷の違いは次の通りになります。
 
① 出向
出向元の契約を維持して出向先の契約を結ぶことを言います。出向者は出向元、出向先で二重に契約することになります。
出向元の会社と出向先の会社との間であらかじめ出向契約を結んでから出向者との契約をします。
 
② 派遣
派遣とは派遣元と派遣社員が雇用契約を結び、派遣先の会社で働くことを言います。
派遣元と派遣先との間で契約を結ぶことで派遣社員が働くことができます。
 
③ 左遷
左遷とは従業員に対する罰則のような意味合いです。会社によって様々ですが、待遇、地位などを降格させることを言います。
会社側に不当な動機がないか、従業員に不利益が生じないかなど左遷をする場合は注意が必要になります。

まとめ

これまで出向の概要、出向の種類、出向・派遣・左遷の違いについて説明しました。
出向には2種類あり、在籍出向と転籍出向があります。どちらも同じような意味に捉えられがちですが、大きな違いは雇用契約を2社間で結んでいるかどうかです。
次のページからは、自分自身が出向者になった場合、天引きされている給与がどうなるのか詳しく説明していきます。

『著者:社労士カワモリ』

※出向とは?各種保険や給与はどうなる?

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