(後編です。前回まではこちらからお読みください。)
前回は源泉徴収票の概要や種類、使うタイミングについて解説してきました。
転職や確定申告等の際に必要となり、給与支給額等大切な情報が記載されているため、紛失しないよう注意が必要です。
ここからは、源泉徴収票の見方や紛失した際の再発行手続きについて解説していきます。
源泉徴収票を見るポイントとしては、以下の点が挙げられます。
1年間支払われた給与の総支給額であり、いわゆる「年収」にあたります。
ここには、基本給や役職手当、住宅手当等の固定的な給与はもちろんのこと、残業代や通勤手当、賞与等も含まれます。
①の支払金額から、「給与所得控除額」を差し引いた金額です。給与所得控除額とは、個人事業主でいう必要経費にあたる部分であり、支払金額に応じた額が国税庁により定められています。
給与所得控除額以外の控除の合計額です。毎月給与にて引かれている「社会保険料控除」や、生命保険や個人年金等個人で支払っている場合に適用される「生命保険料控除」、扶養対象親族がいる場合に適用される「扶養控除」等があります。
その年に支払った所得税の金額です。②の給与所得控除後の金額から③の所得控除の額の合計額を引いて算出された課税所得金額に所得税率を掛けて算出します。所得税率は課税所得の額に応じて定められています。
「社会保険料控除」や「生命保険料控除」等の各所得控除の金額や、扶養家族の人数や氏名等が記載されています。また、退職時に受け取る源泉徴収票の場合は、摘要欄に「年調未済」と、その会社で年末調整が済んでいない旨を記載します。
※引用:国税庁HPより
もしも源泉徴収票を失くしてしまった場合は、すぐに会社の担当者へ依頼し再発行してもらいましょう。
すでに退職後であっても、依頼すれば再発行してもらうことができます。その会社や繁忙期等にもよりますが、おおよそ1~3週間で発行されるでしょう。前の会社に連絡するのが気まずいからといって、役所や税務署へ依頼しても発行してもらえませんので注意してください。
また、源泉徴収票の再発行を拒否された場合は、「源泉徴収票不交付の届出書」を税務署に提出することで、税務署から会社に対して指導が行われて再発行に応じてくれることがあります。
源泉徴収票は、給与支給額や所得税額等が記載されている重要な役割を持つ書類です。転職時や確定申告等使う場面は限られていますが、いざ使う時に無いと困りますので、捨てたり紛失したりしないよう十分注意しましょう。