労災保険とは、業務中や通勤中に発生した事故等を原因とする、
ケガや病気、障害、死亡に対して保険給付を行い、生活を補償するための制度です。
労働者を一人でも雇用したら、会社として加入する義務があります。
本ページでは、労災保険の目的や給付条件、補償内容等をご紹介していきます。
労災保険とは、正式には「労働者災害補償保険」と言います。
その名の通り、労働者が業務中や通勤中に事故等の「災害」に遭ったことを原因とする、
ケガや病気、障害、死亡に対して保険給付を行います。
労働者を一人でも雇用する場合は、
正社員やパート・アルバイト等その雇用形態に関係なく、
会社として加入する義務があります。
また、その保険料は会社が全額負担しなければなりません。
労災保険は、労働者はもちろんですが、実は会社を助けるための制度でもあります。
労働者は会社の命令で業務を行い、その業務を行うために通勤しています。
その業務や通勤が会社の命令下である以上、
業務中や通勤中に発生した災害を原因とするケガ等の治療費や休業中の収入の補償等は、
本来は会社が全て行わなければなりません。
ただし、休業が長期にわたる場合や障害が残る場合、
死亡してしまう場合もありますし、それらを全て会社が補償するのは非常に大きな負担となってしまうため、
労災保険料を会社が負担することで、いざという時に労働者が補償を受けられるようになっています。
※建設業、個人タクシー等会社に所属していない、いわゆる「一人親方」の方は別途労災保険に加入することができます。
※関連:一人親方労災保険とは?
https://sharoushi-shoukai.net/column/post210526/
業務中や通勤中のケガ等であっても、全てが労災と認められるわけではありません。
労災は、大きく「業務災害」と「通勤災害」に分かれます。それぞれ労災と認められ、
給付されるための条件をここでは見ていきます。
業務をする上で発生したケガや病気、障害、死亡の場合に労災と認められます。
業務中であっても、業務と因果関係のない私的なケガ等については労災と認められません。
家と職場間を通勤する上で発生したケガや病気、障害、死亡の場合に労災と認められます。
通勤中であっても、途中で通勤と関係ない行動や寄り道をした場合は、その時間は労災と認められません。
ただし、日用品の購入や病院に寄る等の場合は例外的に認められています。
労災として認められた場合の主な補償内容をここでは見ていきます。
①療養(補償)給付
労災指定病院で治療した場合の窓口負担費用がかからなくなります。
労災指定病院以外で治療した場合は、支払った費用が給付されます。
②休業(補償)給付
療養のために働くことができず、給与が支給されない場合に給付されます。
③障害補償給付
ケガや病気が治癒したにもかかわらず障害が残っている場合に給付されます。
④遺族補償給付
死亡した時に、遺族の人数等に応じて給付されます。
労災保険は、業務中や通勤中に災害に遭った際に労働者の生活を守るための給付が受けられる制度であり、
災害の状況により、給付条件や補償内容が決まっています。
次のページからは実際に労災保険の申請を行う際の手順を解説していきます。
労災保険とは?② 申請の手順を具体的に解説【2021年度版|最新情報】
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