(後編です。前回まではこちらからお読みください。)
「離職票」は退職者が失業給付金を申請する際に必要な書類であり、「離職票―1」と「離職票―2」からなる2枚組の書類です。離職票―1は雇用保険資格喪失通知書を兼ねたもの、離職票―2は退職理由や退職前の賃金などが記載されています。
ここからは離職票の書き方について解説します。
「離職票―1」は雇用保険資格喪失確認通知書を兼ねており、失業手当が支給される金融機関や口座番号を申請するための書類です。そのため、基本的には退職者が記載する書類となります。
会社は交付手続きの際、ハローワークへ「雇用保険被保険者資格喪失届」を提出し、ハローワークが受理すると「離職票―1」が交付されます。この届出には退職者の生年月日や被保険者番号、退職日などの基本情報を記入します。
退職者は離職票―1に失業手当が支給される金融機関や口座番号を記入します。ハローワークへの提出時に本人名義のキャッシュカードもしくは通帳が必要となります。
「離職票―2」は退職理由や退職前の賃金などが記載されています。
会社は交付手続きの際、ハローワークへ「離職証明書」を提出し、ハローワークが受理すると「離職票―2」が交付されます。離職証明書の左半分には、会社や退職者の基本情報、退職直前の1年間の勤怠や賃金の支払い状況を記入します。1年未満の場合は、該当する項目がなかったことを示すために斜線を引きます。月給者は賃金額の「A」欄に、日給者・時給者は「B」欄に賃金を記入します。記入する賃金額は、社会保険料や所得税が天引きされる前の「総支給額」(通勤手当や残業手当などの各種手当も全て含む)です。通勤手当を数か月に1回支給している場合は、月割計算で按分した金額を記入します。尚、賞与や退職金は賃金には含まれませんので注意が必要です。この賃金額を基に、ハローワークが基本手当(失業給付金)を算出するため、間違いのないよう正しく記入しましょう。
離職証明書の右半分には、離職理由と離職の具体的理由を記入します。離職理由が自己都合退職の場合には、退職者から必ず退職届を提出してもらいましょう。離職理由が自己都合によるものなのか、解雇や倒産など会社都合によるものかによって、失業給付の給付のあり方が変わってくるため、後々のトラブル(退職理由や退職日が違うなど)を未然に防ぐ効果があります。
※引用:ハローワークHPより
「離職票」は退職者が失業給付金を申請する際に必要な書類であり、会社がハローワークへ離職票の交付手続きを行い、ハローワークが交付する公文書です。「退職証明書」は退職していることを証明するために会社が発行する書類のため、公文書としての扱いにはなりません。使用用途や交付方法が異なるため、必要な書類を事前に退職者に確認することで、退職後スムーズに発行できるよう準備しておくことが大切です。