(後編です。前回まではこちらからお読みください。)
前回までは、働き方改革の目的またその実現を推進するため設けられている働き方改革推進支援助成金について解説してきました。
ここからは、働き方改革推進支援助成金の申請の流れと支給対象の取り組みについての注意点をまとめていきます。
働き方改革推進支援助成金の申請には、締め切りのタイミングが3回あり、締め切り日に間に合わないと申請が出来ませんので、こちらに関しては特に注意が必要です。
① 交付申請書の提出
※2021年11月30日
※国の予算額に制約されているため、この締め切り前でも受付を終了する場合があります
② 交付決定後、取り組み実施の締め切り
※2022年1月31日
③ 労働局に支給申請
※取り組み後、支給申請の締め切り:事業実施予定期間が終了した日から起算して30日後の日また
は2022年2月10日
ここからは、働き方改革推進支援助成金の『労働時間短縮・年休促進支援コース』について、支給要件について解説していきます。助成金の対象となる事業主の条件は、以下の3つです。
① 労働者災害補償保険の適用事業主であること
② 交付申請時点で、前編で解説した『成果目標』①~③の設定に向けた条件を満たしていること
③ 全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること
※関連:労災保険とは?① 給付条件は? 労務担当が抑える基本を簡単に解説
支給対象となる取り組みとして、以下のうちいずれか1つ以上を実施する必要があります。
① 労務管理担当者に対する研修
② 労働者に対する研修、周知・啓発
③ 外部専門家(
社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング
④ 就業規則・労使協定等の作成・変更
⑤ 人材確保に向けた取組
⑥ 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
⑦ 労務管理用機器の導入・更新
⑧ デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
⑨ 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新
⑩ 小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)
※①の研修には、業務研修も含みます。
※⑥や⑦の機器の購入は、原則としてパソコン、タブレット、スマートフォンは対象となりません。
大手企業だけではなく、中小企業にも働き方改革関連法が順次施行されていて、働き方改革を推進することは事業主の義務です。
働き方改革推進支援助成金の『労働時間短縮・年休促進支援コース』は、労働時間の削減や年次有給休暇の取得を推進した事業主を助成するものなので、活用し従業員の働きやすい環境を見直ししてみてはいかかでしょうか。
労務サポートちゃんねる