人事労務解説

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人事労務解説 2021.09.14

雇用契約書の書き方を解説②

雇用契約書の書き方を解説②
(後編です。前回まではこちらからお読みください。)

※雇用契約書の書き方を解説①

前回までは、雇用契約書は労働条件を明らかにするために交わす契約書で、作成する際は労働基準法施行規則で義務付けられている絶対的記載事項を必ず記載する必要があることについて解説してきました。
ここからは、パート社員の雇用契約書についての注意点をまとめていきます。

4. パート社員にも雇用契約書は必要?

雇用契約書は、雇用形態に限らず、正社員、パートタイマー、アルバイトなどの採用の場合でも必ず必要な書類となります。
前編で解説した労働条件通知書を作成する際は、労働基準法施行規則で義務付けられている絶対的記載事項を、必ず記載する必要があり、パートタイマーを採用する際には絶対的事項に追加し、以下『4項目』の内容も記載が必要です。
(1) 昇給の有無
(2) 退職手当の有無
(3) 賞与の有無
(4) 相談窓口の有無

5. パート社員用の雇用契約書の注意点

パートタイマー、正社員よりも労働時間が短い場合が往々にあり、短時間での勤務となっている場合が多いと思います。シフト制などで始業時間や終業時間が定まっていない場合は、厚生労働省からの通達において勤務の種類ごとの始業および終業の時刻などに関する考え方を示したうえで、当該労働者に適用される就業規則上の関係項目を網羅的に示すことで足りるとされています。
ここからは、毎回決まった曜日や勤務時間で働く場合もあれば、シフト制などで日によって勤務時間が変わる場合のそれぞれの場合においての勤務時間の記載方法を、以下で説明します。
勤務時間が決まっている場合
勤務時間が決まっている場合は、正社員と同様に始業時刻・終業時刻を記載してください。
(例)
・始業時刻:9時00分
・終業時刻:18時00分

シフト制で勤務時間が定まっていない場合
パートタイマーが1週間に何日程度・合計で何時間程度働くかを示したうえで、具体的に働くことになるシフトの時間帯を示すという形で、勤務時間を記載してください。
シフトのパターンが決まっている場合は、その勤務時間を記載してください。
(例)
シフト1
・始業時刻:9時00分
・終業時刻:18時00分
シフト2
・始業時刻:11時00分
・終業時刻:15時00分
シフト3
・始業時刻:13時00分
・終業時刻:18時00分

また、シフト制で始業、終業時刻も定まっていなく、勤務時間も一定ではない場合は以下のように記載することで勤務時間に関する労働条件を網羅できます。
(例)
・始業時刻:0時00分~終業時刻:24時00分のうち8時間以内

雇用契約書における記載は、正社員とパートタイマーで大幅に違いがあるわけではありません。
ただ、正社員と異なりパートタイマーは、シフト制で勤務するなどで勤務時間の形態に違いがあることが多いので、記載方法は注意が必要です。

パートタイマー雇用契約書サンプル

※引用:厚生労働省HPより

まとめ

雇用契約書は、会社側と従業員の間で交わされる書面が雇用契約書です。
雇用契約に双方が合意したことの証明として取り交わされるもので、口頭での契約も可能ですが、法的にはできる限り書面により確認することが求められており、雇用後の労働条件のトラブルを避けるためにも、記載内容に注意して締結することが大切です。

『著者:社労士カワモリ』

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