人事労務解説

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人事労務解説 2021.06.28

解雇の場合の失業保険は?給付の日額はいくら?

(後編です。前回まではこちらからお読みください。

失業保険の給付手当はいつ貰える?自己都合の場合は?

前回までは失業保険の概要や対象者、自己都合退職の場合の失業保険について説明してきました。
ここからは、会社都合退職の場合の失業保険や実際にもらえる失業保険の金額についてまとめていきます。
雇用保険の加入期間や年齢、退職前の給料金額によって失業保険のもらえる金額も変わってきます。

4.解雇の場合は?いつもらえる?

解雇や倒産等、会社の都合によって退職となった場合は、自己都合退職よりも条件が緩和されており、退職前1年間に通算6か月以上雇用保険に加入していることが失業保険をもらう条件です。
雇用保険の加入期間や年齢、支給日数もより細かく決められており、一番多い給付日数は45歳以上60歳未満で加入期間が20年以上あった場合の、330日となっています。給付されるまでの期間も短く、ハローワークで申し込みをしてから7日間の待機期間後一週間ほどで1回目の給付があります。
自己都合退職のように自分で退職を決めたわけではなく突発的な退職となることが多いため、金銭的に生活が厳しい状況となることが予想されるため、給付日数が多く、給付までの期間も短くなっています。


被保険者期間
1年未満1年以上
5年未満
5年以上
10年未満
10年以上
20年未満
20年以上
離職時の年齢30歳未満90日90日120日180日
30歳以上
35歳未満
90日120日180日210日240日
35歳以上
45歳未満
90日150日180日240日270日
45歳以上
60歳未満
90日180日240日270日330日
60歳以上
65歳未満
90日150日180日210日240日

5.失業保険の給付金はいくらもらえる?

失業保険の給付日数については記載してきましたが、では一体その日額はいくらなのか?全部でいくらもらえるのか?
失業保険の日額を「基本手当日額」と言い、
賃金日額(退職前6か月間の賃金合計額÷180日)×給付率(50~80%)で計算されます。賃金日額が低い人ほど給付率が高くなります。
また、基本手当日額、賃金日額ともに退職した時の年齢により上限額が決まっています。下限額はそれぞれすべての年齢で共通となっています。

例えば、30歳の会社員(月給30万円、8年勤務)が会社都合で退職した場合は以下の計算となります。
※「4.解雇の場合は?いつもらえる?」の表も参照してください。

賃金日額 = 30万円×6か月÷180= 10,000円
基本手当日額 = 賃金日額×給付率(50~80%) =5,974円
受給額 = 基本手当日額 × 給付日数 = 5,974円 × 180日 = 1,075,320円

 

離職時の年齢賃金日額の上限額基本手当日額の上限額
29歳以下13,630円6,815円
30〜44歳15,140円7,570円
45〜59歳16,660円8,330円
60〜64歳15,890円7,150円

 

賃金日額の下限額基本手当日額の下限額
全年齢共通2,500円2,000円

まとめ

失業保険をもらうためには雇用保険に加入していることが前提となりますが、自分が雇用保険に加入しているか分からない場合は、会社からもらっている給与明細を確認してみましょう。雇用保険料が天引きされていれば、雇用保険に加入していることになります。また、ハローワークで申請をする時には、退職する時に発行される離職票が必要です。
退職する時にすぐに次の就職先が決まっていない場合は、会社から離職票をもらっておくことを忘れないようにしましょう。

『著者:社労士カワモリ』

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