(後編です。前回まではこちらからお読みください。)
前回までは傷病手当金の概要、支給要件、支給の日付についてまとめてきました。傷病手当金の支給額はa href=”https://sharoushi-shoukai.net/column/post220111/” target=”_blank” rel=”noopener”>標準報酬月額を基に計算を行い具体的な支給額が決定されます。ここからは傷病手当金の具体的な支給額の決定の仕方や継続給付の制度について解説していきます。
ここでは健康保険法で定められた傷病手当金の支給額を紹介していきます。健保組合管掌の健康保険の場合はこの支給額にプラスして独自の付加給付がされる場合があります。
傷病手当金の支給額は1日あたりで計算されます。実際に支給される金額は下記の式で計算した金額×労務不能により休んだ日となります。
入社して間もないときなど、a href=”https://sharoushi-shoukai.net/column/post220111/” target=”_blank” rel=”noopener”>標準報酬月額の定められた月が12か月に満たない場合は次のうちのいずれか少ない額を用いて計算を行います。
①支給開始日の属する月以前の直近の継続した各月のa href=”https://sharoushi-shoukai.net/column/post220111/” target=”_blank” rel=”noopener”>標準報酬月額の平均額
②支給開始日の属する年度の前年度の9月30日における全被保険者の同月のa href=”https://sharoushi-shoukai.net/column/post220111/” target=”_blank” rel=”noopener”>標準報酬月額の平均額をa href=”https://sharoushi-shoukai.net/column/post220111/” target=”_blank” rel=”noopener”>標準報酬月額の基礎となる報酬月額とみなしたときのa href=”https://sharoushi-shoukai.net/column/post220111/” target=”_blank” rel=”noopener”>標準報酬月額
出産手当金や賃金等の報酬が発生する場合、障害厚生年金などの支給される場合には支給調整が行われます。その支給を受ける金額が傷病手当金の額より少ない場合に差額が傷病手当金として支給されます。
傷病手当金にはほかの健康保険の給付を受ける権利と同様に2年間の時効があります。傷病手当金の時効は労務不能であった日ごとにその翌日起算で時効が進行していきます。これは傷病手当金の請求権が1日ごとに発生するためです。
また、傷病手当金の支給を受けることができる期間は支給開始日から起算して1年6か月が限度となります。この期間のうち支給要件に該当した日数分の支給が行われます。
この支給期間については支給期間の通算化が予定されており、出勤なので支給要件に該当しなかった期間がある場合、その期間が延長して通算で1年6か月分支給が受けられるように改正が行われる予定があります。
傷病手当金の支給期間の通算化(施行予定:令和4年1月1日)
傷病手当金の支給を受けることができるのは原則的に健康保険の被保険者に限られますが、一定の要件を満たしている場合は被保険者の資格を喪失後も引き続き傷病手当金の支給を受けることができます。要件は下記のようになります。
①被保険者資格の喪失日の前日まで1年以上引き続き被保険者であった
→転職などで被保険者期間が1日でも途切れている場合には継続給付は受けられません
②被保険者資格の喪失時に傷病手当金の支給を受けている、または受けることができる状態である
→待期期間の要件を満たしている必要があります
傷病手当金には健康保険の被保険者が傷病等により、労務不能となった際に、所得を保障して被保険者本人や家族の生活を支える大きな役割があります。また傷病手当金の支給を受けるには前提として健康保険の被保険者である必要があり、その他にも待期期間などの要件があります。