人事労務解説

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人事労務解説 2021.08.26

有給休暇が年5日義務化 対象はどこまで?

有給休暇が年5日義務化 対象はどこまで?

有給休暇の年5日義務化とは、2019年4月より始まった「働き方改革法案」の一つで、企業は有給休暇が年に10日以上付与される労働者に対して、そのうちの5日については時季を指定して取得させなければなりません。
このページでは有給休暇5日義務化の概要や背景、その対象者について解説していきます。

※関連:有給休暇とは?パート・アルバイトの取得方法は?①

1. 有給休暇の年5日義務化とは

有給休暇の年5日義務化とは、2019年4月1日より企業に義務付けられた年次有給休暇に関するルールであり、有給休暇が年に10日以上付与される労働者に対してそのうちの5日については時季を指定して取得させなければなりません。具体的に取得させる期間としては、有給休暇を付与した日から1年以内に5日間と決められています。同じ「働き方改革推進法」の施策である時間外労働の規制等では、中小企業への適用猶予期間が設けられていましたが、有給休暇の年5日義務化においては企業の規模に関係なく同じ日から適用されました。

2. 有給休暇年5日義務化の背景

有給休暇年5日義務化の背景には、有給休暇の取得率の低さがあります。有給休暇が付与されていても、「有給休暇を取得したいと言いづらい」や「忙しくて中々休めない」等の現実が実態としてあります。そういった課題や、労働者の働き方やニーズが多様化していくという課題を解決するための働き方改革の一環として、有給休暇年5日取得させることが義務化されました。

3. 有給休暇年5日義務化の対象者

有給休暇年5日義務化の対象者は、有給休暇が年に10日以上付与される労働者です。
有給休暇が年に10日以上付与される労働者とは、フルタイム労働者、所定労働日数が週4日のパートタイム労働者、所定労働日数が週3日のパートタイム労働者です。
それぞれ有給休暇が付与される日数と時期が異なり、フルタイム労働者であれば6か月経過後、所定労働日数が週4日のパートタイム労働者は3年6か月経過後、所定労働日数が週3日のパートタイム労働者は5年6か月経過後、に初めて10日間の有給休暇が付与されます。その後も経過年月数ごとにそれぞれの決められた有給休暇日数が付与され、付与された日から1年以内に5日間取得することが義務付けられています。

フルタイム労働者

継続勤務
年数
6か月1年6か月2年6か月3年6か月4年6か月5年6か月6年
6か月以上
付与日数10日11日12日14日16日18日20日

所定労働日数が週4日以下のパートタイム労働者

週所定労働
日数
1年間の所定労働日数継続勤務年数
6か月1年
6か月
2年
6か月
3年
6か月
4年
6か月
5年
6か月
6年
6か月
以上
4日169日~216日付与日数7日8日9日10日12日13日15日
3日121日~168日5日6日6日8日9日10日11日
2日73日~120日3日4日4日5日6日6日7日
1日48日~72日1日2日2日2日3日3日3日

まとめ

有給休暇年5日義務化は、有給休暇の取得率の低さを背景として企業に義務づけられた働き方改革の一環であり、その対象は有給休暇が年に10日以上付与される労働者です。
次のページから有給休暇が年5日義務化の対策や、違反した際の罰則について解説していきます。

『著者:社労士カワモリ』

※有給休暇が年5日義務化の対策は?違反した際はどうなる?

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