みなし残業とは別名「みなし労働時間制」と言います。営業や在宅勤務など実際の労働時間を会社が把握することが難しいケースがあります。その際に実際に働いた時間に関係なく働いたものとみなす制度のことを言います。みなし残業とみなし(固定)残業代が混ざってしまうことが多いので注意しましょう。
みなし残業とは外回りが多い営業職や在宅勤務など、会社の外で業務を行う場合があります。
その際、会社側が労働時間を把握できない事があるため実際に働いた時間関係なく所定労働時間働いたものとみなして従業員に給与を支払う制度です。
例えば、所定労働時間が8時間だとして実際に働いた時間が6時間だとしても8時間働いたものとして従業員に給与を支払います。
みなし労働時間制 | 固定残業代 (みなし残業代) | |
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概要 | 労働時間にかかわらず所定労働時間働いたとみなす制度 | 実際の残業時間にかかわらず 1ヶ月あたりの固定残業代が支払われる制度 |
制度の対象 | 労働時間について | 残業代について |
残業代は支払われるか | 原則支払われない (法定労働時間を超過したみなし労働時間、休日・深夜労働の場合は除く) | 一定額支払われる |
みなし残業のメリットは
① 自分のペースで働ける
② 業務効率化が見込める
③ 労働時間を会社側が細かく把握しなくても良い
④ 従業員の給与を固定できる
⑤ 短時間労働でも所定労働時間分の給与が貰える
⑥ 定時を待たず退社できる
従業員側のメリットとして①⑤⑥が、会社側のメリットとして②③④が挙げられます。
従業員は就業時間に囚われず仕事をすることが可能なので、比較的自由な働き方が可能になります。
また、会社側は残業代を支払うことはないのでコスト削減になり従業員の作業効率化ができます。
みなし残業のリスクとして所定労働時間をオーバーしても残業代が支給されないことがあります。
時間内で仕事が終わらない場合、従業員はタダ働きになる可能性があります。
また、自由に働くことができるため働きすぎると過労死ラインを超えてしまうこともあります。
過労死ラインとは厚生労働省が定めているもので月100時間または発症前2か月から6か月間平均で80時間を超えると過労死になるリスクが高まるという基準となります。
ここまでみなし残業の概要と、メリット、リスクについて説明しました。
みなし残業は会社側、従業員側にメリットがありますが、タダ働きや過労死になるリスクもあります。
みなし残業を導入する際には36協定や就業規則の届け出が必要になります。
次のページからは、みなし残業についての注意点やポイントを解説していきます。