(後編です。前回まではこちらからお読みください。)
前回説明した通り介護休業は通算93日と長期で取得する事ができますがその間収入が無くなってしまう為、経済的に負担となってしまいます。その負担を軽減するのが『介護休業給付金』という制度です。ここからは介護休業給付金の対象となる条件から申請方法まで解説していきます。
給付をうけるための条件として『介護休業前の就業日数』『休業中の就業日数』『休業中の賃金』の3つが挙げられます。
・休業開始日以前の2年間のうち、就業日数が11日以上の月が12か月以上あること
・雇用期間が1年以上あること
・休業中に就業した場合、就業日数が10日以下であること
※11日以上就業した場合は給付金を受け取ることができません。
・休業中に会社から賃金を受け取る場合、休業前の賃金の80%未満であること
これらを満たした際に介護休業給付金を受けることができます。
給付金の目的は介護が理由で収入が減った場合の救済処置としていますので上記の条件が大前提となります。
介護休業給付金の申請は取得した本人ではなく、会社側で行います。ここからは実際に条件を満たし、給付金を受け取る場合の申請方法を流れに沿って説明していきます。
介護休業給付金制度を利用することで過去6か月の平均給与額の67%(3分の2)が支給されます。通算93日までに介護休業が終了した後、会社から管轄のハローワークへ申請を行い、支給が決定するという大まかな流れとなります。ここで注意したい点は介護休業中は給付金の申請を行うことができません。あくまでも休業が終了し、会社復帰してからの申請となりますのでご注意ください。
介護休業終了日の翌日より2カ月経過した日の属する月の末日までに申請する必要があります。
例:介護終了日翌日 9月15日の場合 申請期間:11月30日まで
≪会社≫
・介護休業給付金支給申請書
・雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
・介護休業の開始、終了日が分かるタイムカードや出勤簿等
・介護休業中に支払われた賃金が確認できる台帳等
≪本人≫
・対象家族との続柄がわかるもの(住民票等)
・介護休業申出書
介護休暇、介護休業についてここまで説明してきました。それぞれ制度の内容は異なりますが、いきつく目的は介護による離職を防ぎ、労働者の仕事と介護の両立です。介護が始まると身体的負担や金銭的負担がかかってきますので介護のための制度や行政サービスなど上手に利用してできるだけ負担を減らしていきましょう。