源泉徴収票とは、支払われた給与等の金額と支払った所得税の金額を証明するために発行される書面です。源泉徴収票には3種類あり、それぞれ記載内容は異なります。
その中でも一般的に使われることの多い「給与所得の源泉徴収票」について解説していきます。
源泉徴収票には「給与所得の源泉徴収票」「退職所得の源泉徴収票」「公的年金等の源泉徴収票」の3種類あり、以下の通り内容が異なります。
1年間(1月~12月)に支払われた給与支給額と、給与支給額に対して支払った所得税の金額が記載されています。
他にも、支払った社会保険料額や配偶者控除、扶養控除等についても記載されています。
事業主は、給与等の支払いを受けた者に対して、翌年1月31日までに源泉徴収票を交付することが義務付けられています。
年末調整を行った際や、退職の際に交付されます。
※引用:国税庁HPより
退職金が支払われた場合に支払われた退職金額と、退職金に対して支払った所得税の金額、特別徴収税額(住民税)、退職所得控除の金額、が記載されています。
退職日から1か月以内の交付が義務付けられています。
※引用:国税庁HPより
1年間(1月~12月)に支払われた公的年金等の金額と、公的年金等に対して支払った所得税の金額が記載されています。
翌年1月31日までに年金機構から対象者にたいして交付することが義務付けられています。
※引用:日本年金機構HPより
次の項目以降は、一般的に使われることの多い「給与所得の源泉徴収票」について説明していきます。
源泉徴収票を使うタイミングは様々です。主に以下の場合に使うことが多いでしょう。
◆転職
前職の会社での源泉徴収票の内容と、転職先での源泉徴収の内容を合わせて年末調整をする必要があります。年内に複数回転職をしている場合は、1月以降給与の支給を受けている全ての会社の源泉徴収票が必要となります。
◆確定申告
基本的には勤め先で年末調整を行いますが、2社以上から給与の支払いを受けている場合、年収が2000万円を超える場合、年の途中で退職して年内に再就職していない場合、不動産を売却した場合等、会社員であっても確定申告が必要な場合がありますので、その際は源泉徴収票が必要となります。
◆住宅ローンを組む
借り入れする方が長期間にわたってローンを返済し続けること可能か、を金融機関が判断するために求められます。金融機関によっては直近2~3年分を求められることもあります。
◆扶養に入る
家族を扶養に入れている場合、被扶養者の年収が基準内に収まっているかを確認するために、会社や年金事務所等に求められる場合があります。
ここまで源泉徴収票の概要や種類、使うタイミングについて解説してきました。
一般的に多く使われるのは給与所得の源泉徴収票であり、転職や確定申告等様々な場面で必要となります。
後編では、源泉徴収票の見方や紛失した際の再発行手続きについて解説していきます。