(後編です。前回まではこちらからお読みください。)
前回までに国民年金の概要、国民年金の受給額の計算方法、老齢基礎年金の支給の繰上げや繰下げによる受給額の増減についてまとめました。このページでは国民年金の保険料が免除や納付猶予となる場合と免除・納付猶予の申請の流れについて詳しく解説していきます。
令和3年度の国民年金の保険料は16,610円(月額)です。失業をした場合など一定の場合は保険料の免除を受けることができます。
下記のいずれかに該当する場合は、該当した月の前月から該当しなくなる月まで保険料が免除されます。
①障害基礎年金、障害厚生年金(障害等級1級又は2級の場合に限る)
②生活保護による生活扶助を受ける場合等
本人世帯主配偶者全員が下記いずれかに該当する場合、申請により全額免除となります。
①前年の所得による免除
35万円×(扶養親族の数+1)+22万円
扶養0人の場合→57万円 扶養1人の場合→92万円
前年の所得が上記金額以下の場合、全額免除の申請ができます
②生活保護による生活扶助以外の扶助を受けるとき
③障害者又は寡婦で前年の所得
④天災や失業等により保険料を納付することが著しく困難なとき
前年の所得が次の額以下の場合保険料の一部が免除されます。
①保険料4分の3免除
78万円+(38万円×扶養親族の数)
②半額免除の場合
118万円+(38万円×扶養親族の数)
③4分の1免除の場合
158万円+(38万円×扶養親族の数)
上記の他に学生を対象とした学生納付特例や50歳未満を対象にした納付猶予の制度があります。
国民年金の免除の申請は、国民年金保険料免除・納付猶予申請書をお住まいの市区町村の役所の国民年金の担当部署に提出によって行います。
日本年金機構のサービス「ねんきんネット」を利用することで、画面上で簡単に免除・納付猶予申請書を作成することができます。
国民年金は老齢・障害・死亡により国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止する制度です。国民年金の保険料は制度を維持するため重要な役割をもつものです。失業等で保険料を納めることが困難なときは保険料の免除制度もあるので利用するようにしましょう。