人事労務解説

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人事労務解説 2021.10.26

高年齢雇用継続給付とは? 支給条件と支給額について解説

高年齢雇用継続給付

高年齢雇用継続給付とは、65歳までの雇用継続を促進することを目的とした制度です。高年齢雇用継続給付は雇用保険の被保険者期間が5年以上ある60歳以上65歳未満の一般被保険者が、60歳以降の賃金が60歳時点に比べて、75%未満に低下した状態で働き続ける場合に給付金が支給されます。

1. 高年齢雇用継続給付とは?

高年齢雇用継続給付には、「高年齢雇用継続基本給付金」と「高年齢再就職給付金」があります。
高年齢雇用継続基本給付金:60歳以降も同じ会社で継続して雇用した場合に受け取れる給付金です。尚、退職後失業保険を受け取っていなければ、再就職した際にも申請できます。
高年齢再就職給付金:60歳以降に会社を退職後、失業保険(基本手当)を受け取っており、再就職の前日における基本手当の支給残日数が100日以上残っている場合に受け取れる給付金です。
支給期間は被保険者が60歳に到達した月から65歳に達する月までですが、各暦月の初日から末日まで雇用保険の被保険者であることが必要です。
どちらの給付金も支給にはいくつかの条件があるため、次項で詳しく解説します。

2. 高年齢雇用継続給付の受給条件は?

「高年齢雇用継続基本給付金」と「高年齢再就職給付金」の支給には、どちらも以下の要件を全て満たすことが必要です。
1.60歳以上65歳未満の一般被保険者であること。
2.被保険者であった期間が5年以上あること。 
  ここでいう期間とは、雇用保険の被保険者として雇用されていた期間の全てを指します。尚、以下の場合も過去の被保険者であった期間として通算されます。
  離職等による被保険者資格の喪失から新たな被保険者資格の取得までの間が1年以内かつ、その間に求職者給付及び就業促進手当を受給していない場合
3.原則として60歳時点と比較して、60歳以後の賃金(みなし賃金を含む)が60歳時点の75%未満となっていること。
4.「高年齢再就職給付金」の場合、再就職の前日における失業保険(基本手当)の支給残日数が100日以上あること。

高年齢雇用継続基本給付金
高年齢再就職給付金

3. 高年齢雇用継続給付の支給額は?

支給額は60歳に到達する前6か月間の平均賃金(賃金月額)から、どれだけ賃金が下がったかで変わってきます。
1.賃金低下率が61%以下の場合  
  60歳以後の各月の賃金額×15%が支給されます。
2.賃金低下率が61%を超えて75%未満の場合  
  60歳以後の各月の賃金額×一定の割合(15%〜0%)が支給されます。  
  ※賃金が75%未満に低下していない場合は支給されません。  
  尚、「みなし賃金」や「支給限度額」により支給額が減額もしくは支給されないことがあります。
 
みなし賃金とは:支給対象月に支払われた賃金が低下した理由が、雇用保険により給付がなされることが適切でない場合には、その分も支払われたものとみなして賃金の低下があるか否かを判断します。
 
【みなし賃金として算定されるもの】
・被保険者本人の非行等による懲戒が原因である賃金の減額
・疾病又は負傷等による欠勤、遅刻、早退などによる賃金の減額
・事業所の休業
・妊娠、出産、育児、介護等による欠勤、遅刻、早退などによる賃金の減額

【支給限度額以上の場合】
1.賃金低下率が61%以下の場合  
  各月の賃金が360,584円以上の場合、給付金は支給されません。
2.賃金低下率が61%を超えて75%未満の場合  
  各月の賃金と算定された給付金の合計が360,584円を超える場合、360,584円から各月の賃金を差し引いた額が支給されます。

【支給限度額以下の場合】
算定された給付金が2,061円以下であるときは、給付金は支給されません。

高年齢雇用継続給付の給付金早見表

まとめ

高年齢雇用継続給付は65歳までの雇用継続を促進し、労働意欲がある高年齢者の円滑な職業生活を援助する制度です。高年齢雇用継続給付の支給条件を満たす場合、60歳以後の各月の支払われた賃金の原則15%が支給されます。支給期間は被保険者が60歳に到達した月から65歳に達する月までです。
次のページからは、高年齢雇用継続給付の申請方法と注意点について解説していきます。

『著者:社労士カワモリ』

※高年齢雇用継続給付の申請方法と注意点について解説

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