人事労務解説

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人事労務解説 2021.11.23

初めての安全委員会・衛生委員会の進め方とは【進行編】

初めての安全委員会・衛生委員会の進め方とは【進行編】

(後編です。前回まではこちらからお読みください。)

初めての安全委員会・衛生委員会の進め方とは【準備編】

前回までに安全委員会・衛生委員会の概要、各委員会の設置が必要な業種・事業規模、各委員会の構成委員と調査審議事項について解説してきました。
このページでは産業医の選任、安全委員会・衛生委員会の実施の流れ、議事録に必要な事項について解説していきます。

4.産業医の選び方

産業医は外部の医師が事業者と産業医契約を締結し、専門的立場から独立性・中立性をもって職務を行います。事業主は産業医に従業員の健康管理等を行うための権限を与える必要があります。
産業医を選任すべき事業場と資格要件等は、次の通りです。

産業医
選任すべき事業場全業種常時使用する労働者50人以上
選任すべき人数・・・原則は1人以上。ただし、常時3,000人を超える労働者を使用する事業場については2人以上
資格
条件
医師のうち、次のいずれかに該当する者

①労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識について厚生労働大臣の指定する者(法人に限る。)が行う研修を修了した者

②産業医科大学その他の大学で医学の正規の課程を修めて卒業し、その大学が行う実習を履修した者

労働衛生コンサルタント試験(試験区分を保健衛生)に合格した者

④大学において労働衛生に関する科目を担当する教授、准教授又は常勤講師の職にあり、又はあった者

⑤その他厚生労働大臣が定める者

専属原則・・・産業医は専属の者であることを要しない
例外・・・次の事業場の産業医は、専属の者であることが必要。
常時1,000人以上の労働者を使用する事業場
健康上有害な業務(深夜業が含まれる)に常時500人以上の労働者を従事させる場合
専任必要なし

・選任期限
産業医の選任事由の発生日から14日以内に選任し、労働基準監督署長に報告する必要があります。

・巡視
産業医は、少なくとも毎月1回作業場を巡視し、作業方法または衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに健康障害防止措置を講じなければなりません。巡視の頻度は産業医が毎月1回以上、衛生管理者が行う巡視の結果などの一定の情報の提供を受けており、事業主の同意がある場合は少なくとも2か月に1度で巡視することで足ります。

・その他産業医の選任した事業主の義務
①産業医に対し、従業員の労働時間に関する情報のほか、労働者の健康管理等を適切に行うために必要な情報を提供しなければなりません。
②産業医の業務の内容や産業医への健康相談の申出方法などの事項を、常時各作業場に掲示するなどの方法により、従業員に周知する必要があります。

5.安全委員会・衛生委員会の実施の流れ

安全委員会・衛生委員会の流れについては法律上で定まったものはありませんが、議題を決めて、参加者へ招集を行い、議長の総括安全衛生管理者等の進行で委員会を行います。また委員会の開催の方法についても法律上の定めはなく、ZOOMなどのオンラインで開催をすることもできます。

6.安全委員会・衛生委員会の議事録に必要な事項とは

議事録についても法律上で定まった形式はありませんが、

  1. 総括安全衛生管理者又は事業の実施事業の実施を統括管理する者
  2. 安全管理者
  3. 安全に関し経験を有する労働者

などを記載するのが一般的となります。

まとめ

安全委員会・衛生委員会は事業者と従業員が一体となり、労災事故を防ぐために、業務上の安全や衛生に関することを話し合っていく場です。適切に両委員会の運営を行い、事業者と従業員で十分に話し合いをするようにしましょう。

『著者:社労士カワモリ』

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