処遇改善加算とは、介護等福祉事業の職員の賃金改善を目的として創設された制度です。賃金改善を始め職場環境の改善計画を立てて届出をし、それに応じて処遇改善加算が支払われます。このページでは、介護職員の処遇改善加算の概要、種別(区分)、計算方法について解説していきます。事業者と従業員が一体となり、話し合いを行う場です。このページでは安全委員会・衛生委員会の概要、各委員会の設置が必要な業種・事業規模、各委員会の構成委員と調査審議事項について解説していきます。
処遇改善加算は、介護職員の平均給与が低い現状を背景とし、賃金改善を始め職場環境の改善をすることを目的として創設されました。改善計画の届出内容に応じて加算金が支給される仕組みであり、加算金は毎月の介護報酬に一定の率で上乗せされます。例えば、最も加算率の高い「加算Ⅰ」では、訪問介護事業の場合13.7%%になります。その月の介護報酬が100万円だった場合、加算金は13万7千円となります。
加算金は全額処遇改善に使うこととなっているため、加算金を給与額に反映することで「定着率アップ」「採用力アップ」「モチベーションアップ」「サービスの質の向上」が期待されます。
処遇改善加算には、加算Ⅰ~Ⅴの5つの区分があります。加算Ⅰが最も金額が大きく、介護職員1名あたり、月額37,000円相当の加算となります。
※加算ⅣとⅤは今後廃止の予定です。
①加算Ⅰ:月額37,000円相当/1名当たり
②加算Ⅱ:月額27,000円相当/ 〃
③加算Ⅲ:月額15,000円相当/ 〃
④加算Ⅳ:月額13,500円相当/ 〃
⑤加算Ⅴ:月額12,000円相当/ 〃
後述する「キャリアパス要件」「職場環境等要件」を満たすことが条件となり、いくつ満たしているかにより加算される区分が異なります。
2019年10月より新たに「特定処遇改善加算」という制度が始まりました。介護職員の人材活用をより推進しリーダー職の定着を図るために、技能・経験のある介護職員を対象にこれまでの加算に上乗せする形で支給されます。具体的には「勤続年数 10年以上の介護福祉士について月額平均8万円相当の処遇改善を行う」となっています。特定処遇改善加算にはⅠとⅡの2つの区分があり、Ⅰの方が加算率が高くなっています。
特定処遇改善加算の要件は以下の通りです。
(特定処遇改善加算Ⅱの要件)
①処遇改善加算Ⅰ~Ⅲのいずれかを取得していること
②職場環境等要件について、「資質の向上」「「労働環境・処遇の改善」「その他」の区分でそれぞれ1項目以上取り組んでいること
③賃上げ以外の処遇改善の取り組みの「見える化」(ホームページ等への掲載)を行っていること
(特定処遇改善加算Ⅰの要件)
上記①~③に加えて、介護福祉士の配置要件を満たしていること
処遇改善加算は、1か月の基本報酬と各加算・減算を合計した単位数に、加算率を掛けることで算定します。計算結果に端数が発生した場合は、1単位未満の端数を四捨五入します。例えば訪問介護業でその月の単位数が500単位、1か月に10回利用、処遇改善加算Ⅰに該当する場合、以下の通り計算します。
500単位×10回=5,000単位
5,000単位×13.7%=685単位
ここまで処遇改善加算の概要、種類(区分)、計算方法について解説してきました。処遇改善加算は介護職員の賃金等環境改善を目的としており、その加算額は全額職員の賃金へ反映させなければなりません。
次のページからは、処遇改善加算に必要なキャリアパス要件、職場環境等要件について解説していきます。