(後編です。前回まではこちらからお読みください。)
前回までは、副業をする場合社会保険で気をつけるポイントについて解説してきました。
副業先が、会社であるのか(その会社の規模による加入要件はどうなっているのか)、個人事業なのか、によって扱いが異なるため注意が必要です。
ここからは、副業の方が収入が多い場合について解説していきます。
副業の方が収入が多い場合、その副業が会社勤務であるのか、個人事業であるのかによって異なります。
※副業の会社でも社会保険の加入要件を満たしていると仮定して解説していきます。
副業先が会社であり2社とも社会保険に加入となる場合、年金事務所に「健康保険・厚生年金保険被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」という書類を届け出てそれぞれの会社での報酬額を申告し、その報酬額の割合によって社会保険料が決まります。報酬額が多い会社の方が社会保険料が多くなるため、もしも副業先の方が収入が多くなった場合はその割合によって社会保険料を計算し直す必要があります。
収入が多くなった時点で会社が随時改定(月額変更)の届け出をして、随時改定の対象となるのでしたら年金事務所で社会保険料の再計算を行います。その時は会社へ新しい社会保険料が通知されるため、自分自身で届出をする必要はありません。
副業が個人事業である場合は、前編でも解説したとおり個人事業でどれほど収入があっても会社での社会保険のみ加入していれば問題ないということになります。
働き方改革や新型コロナウィルスの蔓延による在宅勤務の増加により副業を考える人が増えてきており、国としても厚生労働省が副業を推進するガイドラインを改定する等、副業することが広がる要因が増えてきています。ただ、副業を許可することで「本業への集中が削がれる」「会社の機密情報が流出する」等の懸念があるため副業を許可していない会社が多いのも現実としてあります。
副業を始めたい場合は、まずは会社として副業を許可しているかを確認しましょう。
その上で副業することができるのであれば、それぞれの会社の規模や加入要件等を確認して、それぞれで社会保険に加入する必要があるのか、加入となる場合は社会保険料がいくらとなるのか、会社の担当者へ確認してみてはいかがでしょうか。