人事労務解説

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人事労務解説 2022.01.26

懲戒を行う場合の注意点

(後編です。前回まではこちらからお読みください。)

懲戒とは?どのような種類がある?

前回まで懲戒の内容から種類、判断基準まで解説してきました。ここからは実際に懲戒を行う場合の進め方から注意点まで解説していきます。問題になりやすい内容ですので、注意点をおさえて正しい手順を踏み、従業員とのトラブルにならないよう対応していきましょう。

4.懲戒を行う場合の進め方

懲戒処分を行う際の流れを図に沿って説明していきます。

①事実確認と調査

懲戒処分を行う際は事実確認が最も重要となります。実際に告発した人や被害を受けた人など、関係者へ聞き取りを行い、それを決定づける証拠の写真などを集めることから始まります。さらに目撃者など、直接関わっていない周りへの聞き取りも行います。そして最後に本人(当事者)へ聞き取りを行う流れとなります。

②本人(当事者)に弁明の機会を設ける

事実確認が終わった後は、就業規則に沿って懲戒処分の内容がどれに当てはまるか確認します。そして、本人(当事者が弁明できる機会を設けることが望ましいとされています。本人を呼んで話を聞いたり、本人から書面で提出してもらったりなどの方法がありますので状況に応じて対応しましょう。この弁明の機会を本人が拒否または放棄した場合は、そのまま手続きを進める流れとなります。

③懲罰委員会への諮問

懲罰委員会というのは公正に判断されるために開かれる委員会ですが特に設置の義務はありません。その為、開催する場合は委員会のメンバーや役割などを予め定めておくことが必要となります。

④処分内容の決定、本人への告知

処分内容が決定したら本人への告知となります。告知方法は『懲戒処分通知書』を作成し、書面にて行います。

5.懲戒を行う場合の注意点

聞き取りや情報収集など、初期の段階から音声データなどを利用して進めていきましょう。言った、言わないとなってしまうと適正な判断が難しくなってしまいます。また、本人への告知書については誰が見ても分かるように具体的に記載しましょう。後々争った際にスキとならないように進めることが大切となります。

まとめ

懲戒処分は単に問題を起こした本人に罰則を与えるだけでなく、社内秩序の改善にも大きく影響を与えます。しかし、本人と会社間でトラブルが起きやすいため、正しい知識と手順でリスクをできるだけ減らして進めるようにしましょう。これまでの解説の中で何度か出てきましたが就業規則に懲戒について具体的に明記されているかが最重要ポイントとなります。この機会に就業規則を一度見直しされてみてはいかがでしょうか。

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