(後編です。前回まではこちらからお読みください。)
傷病手当金は1年6か月に通算され、より多くの人が生活保障をできるようになりました。
今までは支給日から1年6か月だったのが通算になり、何がメリットか不明確な部分があると思います。
後編では傷病手当金のメリットがどのようなものか詳しく解説していきます。
傷病手当金の改正のメリットは病気が再発しても、通算して1年6か月なので復職して働いた期間は傷病手当金の受給期間日数としてカウントされないことです。それにより、再発して会社を休んだ場合1年6か月超えても傷病手当金を受給することができます。
また、治療に時間がかかる病気、ケガなどをした場合は生活保障が長く続くため復職しやすい環境になったと言えます。いつからの傷病手当金が通算1年6か月となるかというと、令和2年7月2日以降に支給開始された傷病手当金が対象となるので会社で傷病手当金を受給している従業員が対象なのかどうか確認してみましょう。
傷病手当金改正によって恩恵を受ける人は、例えば長期期間療養を要するガン患者が多いです。
日本の医療技術の進歩により、ガンが治る病気になっていきました。
また、ガン患者は年々増加傾向にあり仕事ができる年齢での罹患も増加しています。
ガン患者全体の45%は仕事ができる年齢でガンに罹患したというデータがあり、現在、ガン治療をしながら仕事をしている人は32.5万人(男性:14.4万人、女性:18.1万人)います。
国の政策としてもガン患者の就労支援の政策を行っており、引き続き両立を支援する足かせになったのが今回の傷病手当金の改正になります。
※引用:厚生労働省HPより抜粋
傷病手当金の改正によって多くの傷病手当金受給者がより長期間生活保障されるという事になります。ガン患者を例にすると、会社でのガン患者の就労問題は多く、ガンと診断された従業員の34%が依頼退職、解雇されているというデータがあり、個人事業主の場合13%が廃業になってしまっている現状があります。また、ガンと診断されてから収入が減った方が半分以上おり平均収入が診断前395万円から診断後167万円に減ったというデータがあります。
傷病手当金の改正により現在受給されている従業員が通算対象かどうかを確認してみましょう。
また、傷病手当金に限らず社内でも復職への支援のサポートの体制を整えていきましょう。