週休3日制とは、労働者の希望に応じて企業が1週間に3日の休日を付与する制度です。週休3日制を導入することにより、育児や介護と仕事の両立、ボランティアや副業、地方兼業での活用が考えられ、多様で柔軟な働き方ができる制度として注目されています。日本ではYahoo!ジャパンやみずほフィナンシャルグループといった大企業を中心に導入しているほか、政府も
働き方改革の一環として、週休3日制の導入を企業に促し普及を図ろうとしています。
週休3日制が注目されている背景として、主に以下のような事情があります。
2019年4月に施行された「
働き方改革関連法」をきっかけに、労働環境の向上と多様で柔軟な働き方の整備が進められてきました。企業にはワークライフバランスのさらなる重視が求められており、従業員に育児や介護、従業員自身の闘病等の事情があっても働けるような環境を整えることが必要になっています。
少子高齢化による労働力不足を補うために、企業間で多様な人材をシェアすることでビジネス力の低下を防ぐ仕組み作りが急務となっています。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、1日あたりの出社人数を減らすことでクラスターを防止したり、業績悪化のため従業員の労働時間や出社日数を減らしたい企業の思惑もあります。
2020年就労条件総合調査(厚生労働省発表)によると、「完全週休2日制より休日日数が実質的に多い」としている企業は8.3%であり、上記のような背景から今後さらに週休3日制を導入する企業は増えるでしょう。
週休3日制の導入は、待遇や制度によって主に以下の3つの方法に分かれます。
休日に労働する予定の時間を残りの労働日に分配することで、1週間の労働時間や給与を変えない制度です。給与が減らないため、社員への金銭的な影響は少ないものの、1日の労働時間は長時間になります。尚、恒常的に労働時間が1日8時間を超えるため、フレックスタイム制や1か月単位の変形労働時間制を利用し、割増賃金発生の抑制も同時に行います。
休日を増やす代わりに、休日に労働する予定の時間分の給料を減額する制度です。週5日・フルタイムの正社員が休日を1日増やすと、これまでの給与の約2割(1日/週5日×4週間分)が減額されます。
休日が増えて労働時間が減っても、同様の成果を出せば待遇は変わらないとする制度です。業務効率や会議時間の短縮などの生産性向上が求められます。
週休3日制とは、労働者の希望に応じて企業が1週間に3日の休日を付与する制度です。週休3日制は政府が
働き方改革の一環として企業に導入を促すだけでなく、ワークライフバランスの重視や労働力不足、新型コロナウイルス感染拡大を背景に注目されています。週休3日制の導入には、待遇・制度によって主に3つの方法がありますが、次のページからは、週休3日制のメリット・デメリットと、待遇・制度ごとの給与計算方法について解説していきます。